
十一面観音菩薩像が最初に作られたのは奈良時代の中期だと言われていて、変化観音の仏像の中でも最も早く作られ始めました。
顔が11個あるという異様な姿をしていますが、これは、あらゆる方向を観察して、あらゆる人々を悩み、苦しみから救うという事を表しているのです。
観音菩薩の場合、この「あらゆる人々」が救いの対象であるといのがポイントとなって、広い信仰を集めました。
それにしても、仏の理念を表すためとはいえ、仏像に11個も顔を付けてしまえというのは、独創的というか、ある種、前衛的ですらありませんか。
そういう造形の美もあって、十一面観音菩薩像は大変人気があります。
販売されているものの場合、この十一面観音がさらに変化した十一面千手観音という形式が一般的です。
ただ、実際に手が1000本あるわけではなく、42本あるのが一般的です。
中央で合掌している2本の他、40本の手があるわけですが、この1本で25の世界を救うという数え方で、25かけ40で千手と数えられます。